ギプスの足で過ごした半世紀のバースデー
台風の進路気になりますね。
こんな日はむやみやたらに外に出ない!と決め、引きこもる予定であります。
こんにちは!本田です。
ちょっぴりまじめにブログ更新を続けよう!と決意をしたので
少し前の話となりますが、私の怪我をしていた時の話を。
これからはプライベートなこともちょこちょこお話ししようと思ってます。
大人だって泣きそうになることもある!
今年の5月5日こどもの日のことです。
バタバタっと準備中、下に置かれた荷物の入ったコンテナが邪魔でした。
何度も何度も邪魔だ!と思う位置にあり、それをどかせば良いだけだったのに、邪魔だなー!と思いながらそれを避けて行き来を繰り返してました。
そしてとうとう…
がっん!!と激突。足のスネの少し横を強打。いわゆる弁慶の泣き所と呼ばれるところからちょっとずれてる場所。
でも痛くて痛くてしばらく声も出ないほど。
打った瞬間からぷくっと腫れて擦り傷もできて…泣きそうでした。大の大人なのに!
それでも準備を続け、まだそのコンテナは私の動線上の邪魔な位置にあり
警戒しながら何度も行き来を続けました。
トドメを刺されたような痛み、全身の力も抜け、全てのやる気も失われました。
ぶつけて痛い目にあい、継続して邪魔だ!と思っているにもかかわらず、それを動かすことなく、あいかわらず避けながら準備をしていた結果…
またもや がっん!!
いやぁ。もうこれはトドメ刺された!
こう思いました。
自分の動線は自分でしっかり確保しなくちゃね
痛みにうずくまっているのを見て、仲間がその邪魔なコンテナを動かしてくれました。
何で邪魔なのに私はそれを動かさなかったのか??
一つは、私にとって邪魔なだけであり、皆んなにはそこにあることが便利なのかも?そう思ったから。
一つは、単に重たいし動かすのが面倒だったから。
急いで準備をしなければならない状況でもあったので、「動かす」という部分の手を抜いたというのが正直なところですかね。。
急がば回れ
この言葉が身に沁みました。
コンテナを動かしてもらってからというもの、快適な動線となり
なぜもっと早く動かさなかったのだろう??
それしか思いませんでした。
私ってこんなに痛がりだったっけ?!
痛みに強い?我慢強い?
かは分かりませんが、結構耐えてしまう性分なのです。
これは、明らかに原因が自分にあり
今回の痛みは自分自身の不注意と怠け心が招いたことだから、我慢するしかない!そうとしか思ってなかったんですよね…
痛みに耐えつつ、その日の強風に耐えつつ、その後12時間ほど立ったまま時を過ごし、夜遅く戻って洗い物をしようと靴を脱ぐと…
痛い!痛い!!痛い!!!
靴である程度角度を保たれていたようで、その固定されていた靴を脱いだ時、自由に動いちゃう足が痛くて痛くて…
再び泣きそうになりました!!
片付けの後、強風で全身砂だらけだったのでシャワーを浴び、さっぱりしたのに足だけ痛みが残りさっぱりしない…
ベットに横になっても痛く、痛みで何度も目がさめる始末。
たかが打撲でなぜここまで痛いんだ??
そう思いながら、翌日早朝から始まるマルシェの準備をして出かけたのでした。
ねぇねぇ。すっごい腫れてるよ!
毎月開催されてる清水青果市場内での庵原マルシェ。
私は東北応援活動をしていて、岩手の海産物を陸前高田や三陸町から仕入れ、料理にしてマルシェで販売しています。(モグ食堂)
ここは常連のお客様も多く、出店者もみんな顔見知り。
ロボットのように(今はロボットでももっとスムーズに動くかもね)カックンカックン動いてる私を見て
「どうした??」
そう声をかけてくださる方がたくさん。
「腫れてるよ!」
こう客観的に見て声をかけてくださる方もたくさん。
この日だけは時々座りながらお客様を迎えることとなりました。
病院に行く勇気…打撲を侮るなかれ!
堪え性のある私ですから、打撲程度で病院に行くなんて、いくらなんでも大げさでしょーー!
そう思いながらも、強打翌日の夜になって尋常じゃない足の腫れ方、痛みの強さ、そして歩けない。
骨折かヒビが入ったのかも??さすがに 病院に行こう!!!
そう決意したのでした。
打撲から3日目の朝、起きたら全く足をつけては歩けないほどになっていたので
これはアレの出番だ!!
そう思い、起きてすぐ必死にマンションの階段を降りて倉庫に向かいアレを取りに行きました。
アレとは【アンプティサッカーで使うクラッチ】の事。
私のスタジオはアンプティサッカー(上肢下肢の切断や麻痺の方がクラッチと呼ばれる杖を使って行うサッカーの事)の静岡のチームガネーシャ静岡の事務局にもなっているのです
お時間のある方は、私とアンプティサッカーの関わりをこちらのブログにまとめてますのでご覧ください
職権濫用?使えるコネは何でも使う?
ではありませんが、クラッチを使う事でとりあえず室内も歩けるようになり、病院へ行く準備ができたのでした。
朝一番のまだ患者さんがほとんど来ていない病院に行き、受付を済ませ自分の順番を待つ。
その時もまた堪え性の癖が出て
「こんな打撲程度でクラッチまで使って大袈裟なんじゃないか??」
こんな不安もありました。
クラッチ突きながら診察室に入った時「その本格的な杖どうしたの??」と先生に驚かれましたけどね(笑)
レントゲンで見る自分の美しくまっすぐ伸びる骨にうっとり
ま、当然こんな状況ですから先ずはレントゲンです。
そして再び診察室に。
そこには私の真っ直ぐ伸びた美しい骨の画像が。思わずキレイな骨だなぁーと先生に向かって言ってしまいました。
「骨は大丈夫みたいだね」
この言葉を聞いて、安堵というより「やっぱり大袈裟だったか…」まだこんな事思ってる。
「これね、筋断裂だよ」
そう言われて、じゃあこんなに痛がる私は大袈裟ではなかったのね??と救われた気分。
「よっぽど強く打ったでしょ」
うんうん。そうなの。そうなの。
と、今このブログで紹介してきた状況を説明して、理解してくれる先生に
痛かったのーー!!
と、また泣きそうになりました!大人なのに!(笑)
骨折だったらギプスかも?とも思っていたので、念のためギプスをされても大丈夫なワイドパンツで行っていました。
固定してもらい診断は、全治2ヶ月。。。
片足の自由を奪われて知る不自由な生活
突然全ての行動が片足でとなると、健康な足の疲労は半端ないです。
残された片足でサッカーをしちゃうアンプティサッカーの選手のこと、改めて尊敬をする機会ともなりました。本当に皆んなすごいっ!!
※この頃はギブスの足にも少し体重をかけてもよくなり大阪に向かう選手達を見送りに
私の生活においては…
普段運動なんてほとんどしてません。
職場であるスタジオには車椅子もありますし、完全ではありませんがバリアフリーに近い環境。まだ室内は動きやすい。
でも自宅となると…
先ずマンションの2階にどうやって上がってく??ギブス側の足はつけないから片足ケンケンで階段を上がるんだよ??手すりもない。頼るのはクラッチだけ。一体どうやって??
しかも、両手がクラッチでふさがり全身を委ねるもの。じゃあ荷物はどうする??
家庭内のバリアフリーなんて言葉もないぐらいの時代に建てられた段差だらけの古いマンション。トイレは?お風呂は?
など、具体的な不自由が課題となり目の前に。
・荷物は背負うリュックに入るものだけに絞る
・食事はなるべく動きやすいスタジオで作る
・一度自宅の2階に上がったら外に出ない(片足ケンケンで階段昇るのってかなり辛いですよ!)
この3つに行動を絞って行動をしてみました。
出来ないことをなげくより、出来ることに目を向ける。そうするとアレもできるコレもできると出来ることが増えていく
この言葉、アンプティサッカーの若杉選手(上の写真の方)が普段講演などで子供達に語る言葉。
本当にそうだ。
私もこの制限のある行動の中で出来ることやろう!そう勇気付けられました。
上の3つの行動に絞った結果、とても効率よく段取りをする事が大切なことだと気付きました。
次の行動の段取りを予め頭に入れつつ行動するのです。
例えば…
・車から降りるときにマンションの鍵の準備をしておき、クラッチで両手がふさがっていても素早く取り出せる
・買い物はリュックの中に入る分だけにする事。重さも片足で階段を背負って昇るのに負担がない重量に抑える事(これはなかなか守れず毎日重たかった)
この買い物については、今はスーパーやドラッグストアの入り口に車椅子があるのをご存知ですか?
それを使わせて頂き、積極的に買い物にも出かけました。
初回はスタッフに付き添ってもらって、車椅子での買い物の練習もしたのです。
行動が制限される中、買い物ぐらいしか出来ないため、ついついテンションが上がり買いすぎてしまいそうなのですが、片足で階段を昇る事を頭に入れ、リュックに入らないもの、今すぐ必要でないものは買わないように我慢しました。
逆に普段便利なはずのコンビニは、両手がクラッチでふさがっているので商品や買い物カゴを持てないため、ギブス生活中は不便な場所となってましたね。
行動が制限されている中で、効率よく生活するために、動く前に頭の中で考えることを習慣づけました。忘れ物もないように荷物や行動のチェックもマメに。
これは普段の自分の生活行動が、いかに無駄が多いのか改めて気づくきっかけにもなりました。えへへ
仕事も当然セーブしました。(休まないところが私らしさでもある)
生徒さんには迷惑をかけてしまいましたが、プライベートや少人数の料理教室はクローズにさせてもらいました。
商品開発やメニュー開発、撮影の仕事などは、動きに制限がある事をご理解頂きながらさせていただいてました。(これは記念すべき生誕半世紀となる50歳の誕生日当日の写真)
この期間に生まれたメニューなどは、またブログ内で紹介させて頂きます。
人生、そんなに忙しく生きる必要もなければ慌てる必要もない
「忙しそうですね」
人からこう声をかけられても、自分の方から
はい!忙しいです!と答えることはまずありませんし、自分で忙しいと言葉にすることもしないようにしています。
でも実際はみっちりとお仕事が詰まってます。これは本当にありがたい事です。
でも、今回気づいたんです。
今までのように、息が切れるほどの速度で仕事をしなくても、順番に一つずつやって行けばきちんと片付くということに。
余裕がなかったんでしょうね。自分に。
今回の怪我で、4年ぶりに自宅でゆっくりとする時間もありました。
すると…この4年間、自宅の管理が適当だった事に改めて気づいたんです。
ギブスが外れてリハビリをしながらゆっくりと生活をしてみて、改めて自宅もちゃんとしようと行動をしてみました。
断捨離です。
この話は次のブログにて紹介します。
本当に怪我で不自由になり、皆様の優しさや心遣いに改めて感謝しました。
怪我や病気などなく暮らせることは幸せなことなんだとつくづく感じました。
今回はプライベートな話をずらずらと書きましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます😊
皆様も怪我には十分気をつけてお過ごしください。健康は財産ですね。
2018.7.28
キッチンスタジオmogu
本田淑美